『ヴェノム』上映時間が判明、ソニー『スパイダーマン』史上最短に ― 米レーティングは「PG-13」の見込み

マーベル屈指のダークヒーローであり、スパイダーマンの宿敵ヴェノムを主人公とする単独映画『ヴェノム』の上映時間が明らかになった。米国のチケット販売サイトFandango、米映画館チェーンAMC Theatresのウェブサイトに掲載されている。
このたび公開された情報によると、『ヴェノム』の上映時間は1時間52分(112分)。
ソニーが製作する映画版『スパイダーマン』シリーズ作品としては、サム・ライミ監督による3部作、マーク・ウェブ監督による『アメイジング・スパイダーマン』2部作、そして『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)のいずれよりも短い、『スパイダーマン』史上最短の一本となる。
近年、大作ヒーロー映画は長尺化の傾向がある。とりわけ、複数の作品が要素と物語を共有するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品はそうした傾向が顕著にみられるだろう。実は『ヴェノム』の1時間52分という長さは、MCU作品で最も短い『インクレディブル・ハルク』(2008)、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2014)の上映時間に等しい。
本作はMCUと世界観を共有しないといわれているため、いわばソニーによる映画版『スパイダーマン』ユニバース(SUMC)の第1弾となるわけだ。制約のない、のびのびとしたストーリーテリングに期待しよう。
なお『ヴェノム』は、「目玉…肺…すい臓…全部喰ってやる」というセリフにも象徴されるように、ファンの間ではグロテスクな描写が期待されてきた作品である。したがってR指定が望まれる節もあったわけだが、以前ソニー幹部がR指定の回避を望んだと伝えられていたように、どうやら米国ではPG-13指定作品(13歳未満の鑑賞には保護者の指導が望ましい)となるようだ。
スタジオによる公式発表はなされていないが、Fandangoのエリック・デイヴィス氏は「正式にPG-13指定となった」という情報を入手している。その決断に至った理由も、以前報じられた内容と一切矛盾していない。
#Venom is officially rated PG-13. Hearing from studio sources the reason is so that Venom and Spider-Man can face off at some point down the line. If the movie is R, it’s hard to do that. pic.twitter.com/dBZzgY18k3
— Erik Davis (@ErikDavis) 2018年9月13日
「『ヴェノム』の(米国)レーティングは正式にPG-13となりました。スタジオの関係者に聞いたところ、理由はスパイダーマンとヴェノムをいずれどこかで対決させるためだそうです。本作がR指定になれば、それは難しいでしょう。」
『ヴェノム』がPG-13指定となる場合、注目すべきは、その描写がいかに“ギリギリを攻めた”ものになるかだろう。決定的なものを見せないことで観客の想像力に委ね、かえってグロテスクな印象を抱かせる演出もありうるわけで……作り手の真価が問われる局面といえるかもしれない。
本作で主人公エディ・ブロックを演じるのは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)や『レヴェナント 蘇えりし者』(2015)のトム・ハーディ。そのほか『グレイテスト・ショーマン』(2017)や『マンチェスター・バイ・シー』(2016)のミシェル・ウィリアムズ、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)のリズ・アーメッドらが出演する。監督は『ゾンビランド』(2009)のルーベン・フライシャーが務め、テーマ曲“Venom”はエミネムが担当した(アルバム「Kamikaze」収録)。
映画『ヴェノム』は2018年11月2日(金)より全国ロードショー。
『ヴェノム』公式サイト:http://www.venom-movie.jp/
Sources: Fandango, AMC, Erik Davis