『ヴェノム』声の参考は「レッドマン、バスタ・ライムス、ジェームズ・ブラウン」 ─ トム・ハーディ、ヴェノムの声を聴きながら演技

映画『ヴェノム』で、主人公エディ・ブロックを演じたトム・ハーディは、ヴェノムのおどろおどろしい声も担当している。つまり、一人二役で、エディとヴェノムが成す二人一役を演じているというわけだ。
トム・ハーディといえば、過去の出演作でもその声色を自在に操っており、『ダークナイト ライジング』(2012)ベイン役でも印象的な声を聞かせている。
『ヴェノム』声に影響与えた3人の黒人アーティスト
この度のヴェノム役では、もちろん音声加工は施されているものの、それでもなお粘り気と邪悪さを帯びたヴェノムの声を見事に表現している。トムは、米ScreenRantによるインタビューで、ヴェノムの”声作り”について参考にした人物を挙げている。
「レッドマン(Redman)、バスタ・ライムス(Busta Rhymes)、それからジェームズ・ブラウンを材料に融合させて、今までにない声を作りました。」
レッドマンもバスタ・ライムスも、ズ太い声が特徴的な人気ラッパー。改めて2人の声を聞くと、確かに2人のザラついたヘヴィ級ヴォイスがヴェノムに反映されているように感じられる。
ジェームズ・ブラウンは、言わずもがな「セックス・マシーン」など数々の名曲で知られる「ファンクの帝王」。エディが参考にした3名が、いずれも黒人アーティストという点も興味深い。
撮影は「1人で喋ってる人みたいだった」
実際の撮影では、予め収録しておいたヴェノムの声を聴きながら演技していたようだ。米Entertainment Weeklyのインタビューで語っている。
「朝にヴェノムの声を録って、そこからイヤホンを付けてエディを演じるんです。共演する人達にも、みんなヴェノムの声が(イヤホンから)同時に聴こえてるんですけど、聴こえてないテイで撮るんですよ。」
エディとヴェノムの”息の合った”掛け合いは、トム・ハーディ自身が両役を演じたからこそ。撮影現場ではイヤホンから聞こえるヴェノムの声を相手に演じていたわけだが、「傍から見たら、何も聞こえないからかなり変だったと思う」と続ける。「1人で勝手に喋ってる人みたいに見えますからね。これこそ、シンビオートに寄生されたエディ・ブロックが抱える問題のひとつなわけです。これがかなり面白くって、哀れな男が1人で喋ってもがいてるんですよ。スタッフはそんな様を4〜5ヶ月も見続けたというわけです。」トムは、実際に撮影した映像とヴェノムの声を組み合わせていく作業を「テトリスみたい」と例えた。
映画『ヴェノム』は2018年11月2日(金)より公開中。トム・ハーディ演じるエディとヴェノムが複雑に絡み合う様を楽しもう。
『ヴェノム』公式サイト:http://www.venom-movie.jp/