ワーナー&DCコミックス、大規模な一時解雇を実施 ─ ワーナーメディア、計800人以上を対象に

ワーナー・ブラザース、DCコミックス、HBO、CNNなど多数の有名ブランド・傘下企業を擁する、総合メディア企業・Warner Media(ワーナーメディア)にて大規模なレイオフ(一時解雇)が行われている。米Varietyによると、ワーナー(DC含む)からは約650人、HBOからは150人以上が解雇される見通しだ。
ワーナー幹部のうち、今回のレイオフの対象となったのは、テレビ部門にて世界配給を統括していたジェフリー・シュレシンジャー氏、映画部門やホーム・エンターテイメント部門の世界配給などを担当していたロン・サンダース氏、ワーナー・ブラザースの副社長・最高財務責任者を務めていたキム・ウィリアムズ氏ら。幹部のなかでも重鎮といえるポストの人物が、次々とワーナーを去ることになる。
米The Hollywood Reporterによると、DCコミックスへのダメージも甚大だ。編集長のボブ・ハラス氏をはじめ、編集スタッフの約3分の1がレイオフの対象となり、シニア・ストーリー・エディターのブライアン・カニンガム氏、『バットマン:ホワイトナイト』などのDC Black Labelを統括したマーク・ドイル氏らも職を追われたとのこと。チーフ・クリエイティブ・オフィサーのジム・リー氏は留任と伝えられている。
またDC内部では、米国での独自配信サービス・DC Universe(DCユニバース)に携わっていたスタッフの大部分がレイオフの対象となったほか、フィギュアなどキャラクター商品を販売するDC Directが22年の役目を終えて閉鎖された模様。すでにワーナーは自社の映像配信サービス・HBO Maxに注力する姿勢を示しているほか、今後は商品部門をDCではなくワーナーが引き受けるとの噂もある。
Warner Mediaによる大規模レイオフの背景には、コロナ禍によって新作映画を上映できない、映画・ドラマの撮影ができないことなど、各部門に大きな損失が出ていることが挙げられる。2020年5月に新CEOとなったジェイソン・キラール氏は、先述のようにHBO Maxを最も重視する方針。しかしながら同サービスは事前に期待されていた成績を挙げられていない状況だ。
なおコロナ禍にあっては、ワーナーだけでなく、ウォルト・ディズニー・カンパニーやNBCユニバーサルなどもレイオフや休職などの措置を講じている。社会情勢を受け、自社の映像配信サービスに力を入れているのも多くの企業に共通する戦略だ。
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Sources: Variety, The Hollywood Reporter(1, 2)