昔ながらの特撮ファンも、マーベル新作『ウェアウルフ・バイ・ナイト』には注目だ

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品といえば、大規模なVFX映像が特徴的だ。ところが、新作『ウェアウルフ・バイ・ナイト』はその真逆をいく。往年の特撮技法がふんだんに使用されているというのだ。
「できる限り、実際のセットでやりました。グリーンやブルーバックのお祭りみたいなことはやりたくなかったから。リアルなセットを望んだんです」と米Fandomに語るのは、監督を務めたマイケル・ジアッキーノ。んん?ジアッキーノが監督を?と気づいた方は鋭い。そう、ジアッキーノといえば『ドクター・ストレンジ』(2016)や『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)、『ジュラシック・ワールド』シリーズなどの大作映画の音楽で知られる作曲家だ。なんとジアッキーノ、『ウェアウルフ・バイ・ナイト』では監督デビューを果たしているのである※。
※短編やドラマの1エピソードの監督を務めたことはあるが、長編作品は初だ。
『ウェアウルフ・バイ・ナイト』は、MCU初のハロウィン・スペシャルという、ちょっと変わった位置付けの作品。とはいえMCUにきちんと属する作品だ。1930〜40年代の古典ホラー映画に影響を受けたという。

物語の舞台はユリシーズ・ブラッドストーンの屋敷。「セットの全て本物で、目にするもの全て本物です。あの場所全部、本物」とジアッキーノは続ける。「モンスターたちが存在するという事実を受け入れるだけでも大変ですけど、視聴者だけでなくて、役者たち自身にとっても、この環境に“本物らしさ”を感じてもらうことができれば、これは起こり得ることだと感じてもらえるんじゃないかと思ったんです。だから、特撮にこだわったんですよ」。
中でも注目したいのは、“人狼”であるウェアウルフの変身シーン。昔ながらの撮影手法を用いて撮影したということだ。実際には現代的なVFXも活用したとのことだが、それらは目に見えない範囲に留めたという。
恐怖描写と特撮は長い間、強い結びつきを持ってきた。思えば、『仮面ライダー』など昭和の日本特撮ヒーローたちの怪人だって、特撮によっておどろおどろしい恐怖感を存分に演出している。『ウェアウルフ・バイ・ナイト』は往年の特撮ファンも要注目の作品になりそうだ。前後のマーベル作品を全く知らなくとも楽しめる、完全に独立した物語になるというので、飛び込み参加もオーケー。彼らの特撮魂は、既にこの奇怪な予告編映像にも滲み溢れている。
『ウェアウルフ・バイ・ナイト』は2022年10月7日よりディズニープラス独占配信。
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Source:Fandom