スピルバーグ版『ウエスト・サイド・ストーリー』米予告編 ─ 伝説のミュージカル、名曲の数々が復活

巨匠スティーブン・スピルバーグ監督が、伝説的ミュージカル作品を再び映画化する『ウエスト・サイド・ストーリー』の米国版予告編が公開された。
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1950年代のニューヨーク。マンハッタンのウエスト・サイドには、夢や成功、そして自由を求める移民たちがいた。差別や偏見を受け、社会への不満を抱えた若者たちは、やがて仲間と集団を作り激しく対立するようになる。ある日、“ジェッツ”と呼ばれるチームの元リーダーであるトニーは、対立する“シャークス”のリーダーの妹・マリアと出会い、二人は惹かれあう。その禁断の恋が、人々の運命を変えていくとも知らず……。
公開された予告編は、トニーとの恋をマリアが歌う名曲「Tonight」から始まる。“今夜、世界は光に満たされる”という歌詞は、まさしくマリアの希望を象徴するものだ。これに続くのは、「初めてのニューヨーク。ここで幸せになりたい、自立したい」というマリアの言葉。彼女がトニーに「あなたには会ったことがなかった。プエルトリコ人じゃないでしょう」と言えば、トニーは「それでもいい?」と答える。
しかし、周囲の雲行きは怪しかった。マリアの友人・アニータは、ダンスパーティーで「第三次世界大戦を始めたいの?」と冗談めかすが、ジェッツの現リーダーであるリフは「目が覚めたら、自分の知ってるすべてが、嫌いな奴らに売り飛ばされ、めちゃくちゃにされ、乗っ取られてた」と怒りを口にする。かくして両者の対立は深まり、マリアの兄・ベルナルドは「俺の家にいる限り、あいつ(トニー)には近づくな」と一言。マリアは「私はもう大人。自分で考える」と告げるが、アニータは「彼と一緒になるなら、誰もあなたを許さない」と言う。トニーの雇い主であるドックも、「人生は愛よりも大切」と語りかけ……。
映像には、若者同士の抗争を乾いたトーンの映像で描くスタイルや、華やかさが強調されたミュージカル・シーンがふんだんに織り込まれている。本作はスピルバーグ監督初のミュージカル映画となるが、スピルバーグといえば、暴力や戦闘の恐ろしさを、時に残酷なタッチで描くことでも知られる。予告編からは、原案となったウィリアム・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」に回帰するような印象もうかがえるが、果たしてどんな手つきで「ウエスト・サイド・ストーリー」を再解釈したのか。
1957年に初演されたブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド物語」は、翌1958年にトニー賞2部門に輝き、1961年に映画化された(アカデミー賞で作品賞ほか10部門を受賞)。“異なる立場を越えて、私たちは手を取り合えるのか?”という問いかけは、名曲とダンスとともに世界中を感動で包み込んだ。
主人公トニー役は『ベイビー・ドライバー』(2017)のアンセル・エルゴート。マリア役には、3万人のオーディションから新人レイチェル・ゼグラーが抜擢された。また、1961年の映画版でアニータ役を演じ、アカデミー助演女優賞を受賞したリタ・モレノも出演する。
映画『ウエスト・サイド・ストーリー』は、2021年12月10日(金)に全国ロードショー。
Source: Variety