スティーブ・ロジャースの現在、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」脚本家も「教えてもらえない」

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のあと、スティーブ・ロジャースはどこに行ったのか。“キャプテン・アメリカの不在”を描いたドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)の脚本・製作総指揮を務めたマルコム・スペルマンは、自らもマーベル・スタジオから真相を聞かされていないことを明かした。
この記事では、『アベンジャーズ/エンドゲーム』「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の内容に言及しています。

「スティーブはもういない」
『アベンジャーズ/エンドゲーム』でサノスとの戦いを終えたスティーブ・ロジャースは、過去に戻り、あるべき場所にインフィニティ・ストーンを返した後、過去の世界で(おそらくは分岐した世界で)自分自身の人生を歩むという選択を取った。キャプテン・アメリカの盾は、年老いた姿で戻ってきたスティーブの手によって、サム・ウィルソンに託されたのである。これこそが「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」という物語の出発点だった。
劇中において、スティーブがその後どうなったのかをはっきりと明示する言葉はない。「スティーブはもういない(Steve is gone.)」というセリフこそあるが、これはスティーブの死を意味するとも、あるいはスティーブが分岐した世界に戻ったことを意味するとも、あるいは単純な引退を意味するとも解釈できる。劇中では“月の秘密基地にいる”という説も語られるが、これはあくまでも都市伝説のようなものだろう。
シリーズの終了後、Disney+にて配信されたドキュメンタリーシリーズ「マーベル・スタジオ アッセンブル」の第2回『ファルコン&ウィンター・ソルジャーの裏側」では、プロデューサーのネイト・ムーアも「スティーブ・ロジャースはもういない(Steve Rogers is gone.)」と言っている。スティーブの“その後”はあえて曖昧にされているのだ。

米Inverseの取材にて、脚本・製作総指揮のマルコム・スペルマンもまた「正直に言いますが、マーベルはスティーブがどうなったのかを教えてくれないんです」と認めている。「知らないから(脚本を)書きたいように書けたんです。もしも月にいたらどうだろう、とかね。教えてもらえないんだから、そういう可能性もありますよ」。ちなみに監督のカリ・スコグランドは、スティーブの居場所を聞かれるや「月にはいないと思われますか? どうでしょうね、 私はそう聞いたけど」とはぐらかした。
スティーブの話題については、スペルマンとスコグランド監督の間で証言がしばしば食い違っている。たとえば「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」にスティーブをカメオ登場させる計画があったかと尋ねられた際、スペルマンは「話し合いはあったと思います。いや、知りません。知らないということにします」とコメントした。記者から「話し合いはあったかもしれないけど、実際どうだったかは知らないってことですか?」と聞き返されると、「その通りです」と答えたのだ。ただしスコグランド監督は、スティーブの現在について語る計画は「一切なかった」と言っている。
2021年1月には、キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース役のクリス・エヴァンスがMCUに復帰するとの報道が米Deadlineにて流れた。エヴァンス本人とマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は報道を否定するようなコメントを出したが、これにもかかわらず、Deadlineは『キャプテン・アメリカ』第4作の企画報道時、「クリス・エヴァンスの『キャプテン・アメリカ』プロジェクトとは別物となる」と記し、いまだ何らかの企画が存在することを強調している。
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Sources: Inverse, Cinema Blend, Kevin Polowy, io9, Deadline