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『アルマゲドン』ブルース・ウィリス最後の出演作、米公開へ

ブルース・ウィリス
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28769112077/

『アルマゲドン』(1998)などで世界的な知名度を誇るハリウッド・スター、ブルース・ウィリスの最後の出演作『Assassin(原題)』が、2023年3月31日に公開を迎える。米劇場で上映され、同日オンデマンド・デジタル配信もされる。

『ダイ・ハード』シリーズや『パルプ・フィクション』(1994)『シックス・センス』(1999)など数多くの名作に出演したウィリスは2022年3月、失語症のため俳優業引退を公表。ウィリスは2019年ごろから猛烈なペースで出演作を重ねていて、2022年には8作にも出演していた。これを皮肉って、同年のラジー賞では「2021年映画のブルース・ウィリスの最低演技賞」が登場したほどだった(この直後にウィリスの症状が公表されると、ラジー賞は謝罪して賞を撤回している)。

『Assassin』は、ウィリスがキャリア最後期に立て続けに出演した一連作の、最後の作品となる。舞台はマイクロチップ技術によって人間の操作も可能になった“ドローン戦争”時代で、アイデンティティ概念にまつわる興味深い哲学的なテーマを有している。概要は以下のようなものだ。

「“機械の遠隔操作”から“人の遠隔操作”まで可能になったドローン戦争の進化によって、“本当の自分自身とは何か”という重要な問いが投げかけられる。鏡に写る顔が自分のものでない時、人は自我を保つことができるのか?認知的解離が日常になった時、人はどのように精神を保つのか?赤の他人に抱きしめられ、自分のものではない肌に触れられた時、どのような記憶が刻まれるのだろうか?」

ウィリスが最後作で演じるのはマイクロチップ技術を有する民間軍のリーダー・ヴァルモールで、率いる諜報員の精神を他人の身体に宿して極秘任務を行なっていく。しかし、任務中に1人の諜報員が殉職したことで、その妻が責任者を裁こうとする、という展開だ。

予告編でウィリスは威厳ある佇まいで任務の説明をしている。映像内ではヤクザまたはエージェント風のアジア人集団が登場したり、緊迫感あるアクションが展開されていたりする。ウィリスは作品を引き締めるような役を演じているようだ。

映像で「フィクサーのフィクサー」として登場するのは、「プリズン・ブレイク」のお兄ちゃんことリンカーン・バローズ役やDCアローバースのヒートウェーブ/ミック・ロリー役でお馴染みのドミニク・パーセル。ほか、『星の王子 ニューヨークへ行く2』(2021)ノムザモ・ムバサや、「ルーク・ケイジ」(2016-2018)ムスタファ・シャキール、シンガーソングライターとしても活躍する「アップロード ~デジタルなあの世へようこそ~」(2020)のアンディ・アローが共演する。監督はこれが長編デビュー作となるジェシー・アトラスだ。

ウィリスの家族は2月、ウィリスの失語症の症状が進行して認知症と診断されたと公表。「現在、この病気に対する治療法は確立されていませんが、この現実が今後変わっていくことを願っています。ブルースの症状が進むにつれ、メディアの注目がこの病気に集まり、認知や研究により光が当たることを願います」との声明を発表している。

Source:Collider,CNN

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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