『ファンタスティック・ビースト』続編、企画なし ─ 米ワーナー、協議進まず

『ハリー・ポッター』魔法ワールドの人気シリーズ『ファンタスティック・ビースト』の続編は、現時点で具体的な企画が存在しないようだ。米Varietyがレポートしている。
『ファンタビ』は2016年にシリーズ第1作が公開。2022年に第3作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』が公開されたが、興収は前2作にも及ばず苦戦。同シリーズは全5部作とされていたものの、公開直後から続編は未定とされたままである。
さらに暗雲が立ち込めた。原作者J・K・ローリングの発言をめぐる一連の騒動や、出演者の不祥事などの苦難が続いていたところ、親会社が新たにワーナー・ブラザーズ ディスカバリーとして事業統合、徹底的な「仕分け人」であるデヴィッド・ザスラフCEOが就任したのだ。
ザスラフはこの度の第3四半期の株主総会(現地時間2022年11月3日)で、『ハリー・ポッター』やDCヒーロー、『ロード・オブ・ザ・リング』「ゲーム・オブ・スローンズ」「セックス・アンド・ザ・シティ」といった世界的シリーズに「集中したい」と延べた。魔法ワールドの新作については、「J・K・ローリングの『ハリー・ポッター』を進める何かが出来れば」と言うに留めている。
5月には、ザスラフがローリングと面会し、新コンテンツについて協議をするとの情報もあった。しかしこの度Varietyがワーナー・ブラザースから掴んだ情報によると、現時点で『魔法ワールド』の新企画は、『ハリー・ポッター』『ファンタビ』両シリーズ共に企画されておらず、それどころか、ローリングとの「協議も行われていない」状態だという。
『ファンタビ』シリーズについては、『ダンブルドアの秘密』をもって打ち切りとし、戯曲『ハリー・ポッターと呪いの子』を映像化することで、ハリー・ポッターに原点回帰させるという専門家の見解もあった。実はこの度のザスラフの発言の中には、この見解にいくらか説得力を与えるものがある。以下の発言だ。
「我々は今後、シリーズものに集中していきます。『スーパーマン』の映画はもう13年も作っていないし、『ハリー・ポッター』は15年も作っていない。DCと『ハリー・ポッター』の映画は過去25年、ワーナーに多くの儲けをもたらした。だから、シリーズものに集中するのです。」
ザスラフがどれほど意識したかはわからないが、『スーパーマン』に関してはヘンリー・カヴィルが同役に復帰し、新作にむけて具体的に動き出したところだ。一方の『ハリー・ポッター』、なぜ『ファンタビ』を無視したような発言になったのか?これは、『ファンタビ』ではなく『ハリー・ポッター』の再開を優先するという意志の表れなのだろうか?
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Source:Variety