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『ワンダーウーマン』コミック、アマゾン族にトランスジェンダー女性が初登場

https://twitter.com/Steph_I_Will/status/1451220690431057922/photo/1

ガル・ガドット主演による映画版も人気の、DCコミックス『ワンダーウーマン』のコミックに新たな設定が導入された。映画版にも登場した女性だけの種族・アマゾン族に、トランスジェンダー女性のキャラクターが初登場したのである。

ファンの間で話題となっていたのは、2021年10月19日に米国で刊行された『ワンダーウーマン』の新作コミック・シリーズ「Nubia & The Amazons(原題)」の第1号。新たに登場したビア(Bia)というキャラクターがトランス女性ではないかというファンの推測を、このたびライターのステファニー・ウィリアムズ&ヴィタ・アラヤが認めた。

ウィリアムズはファンの質問に対し、「答えは“イエス”です。トランスのアマゾン族は存在しますし、最新のアマゾン族のひとりは黒人のトランス女性です」と明言。ワンダーウーマンの故郷であるセミッシラを「すべての女性のための場所」として描きたかったのだと記した。アラヤもウィリアムズのコメントを引用し、「ビアを自然な形で登場させたかったので、告知はしたくありませんでした。けれども秘密ではなかったですし、気づいてもらえてうれしいです」と述べている

「Nubia & The Amazons」の主人公・ヌビア(Nubia)は、1972年に初登場し、映画版の主人公であるダイアナとは双子の姉妹という設定。長らく姿を消していた設定だが、今回の物語ではセミッシラの女王として登場する。第1号では、ヌビアのセミッシラへの帰還とともに、5人の仲間がアマゾン族の“ウェル・オブ・ソウルズ”を通じて現れる様子が描かれた。人間社会(Man’s World)の恐怖のために命を落とした女性たちは、このウェル・オブ・ソウルズを通じて蘇るのだ。しかし、彼女たちに以前の記憶はなく、現在の居場所もわからず、また自分の未来を知るよしもない。

ウィリアムズの投稿には、アマゾン族に認められたビアが、「どう説明していいのかわからないけど、ここに来る前からずっと、今この瞬間を自分の魂が求めていたように思う」と涙ながらに語る場面が掲載されている。

なおウィリアムズによれば、今後のビアには「ただ存在する以上の役割が与えられる」という。「彼女は(作品世界の)大道具でも、やらなければいけないチェックボックスでもありません。コミュニティにとって重要な、きちんと成熟したキャラクターです。現実世界の黒人トランス女性が、私たちにとって大切な存在なのと同じです」

DCコミックスは先日、新たなスーパーマンであるジョン・ケントがバイセクシュアルであるという設定を発表し、世界的な話題を呼んだばかり。同社の顔であるスーパーマンのモットーも、以前からの「真実、正義、アメリカ人らしさ」から「真実、正義、よりよい明日」へと変更された。あらゆる人々の包摂、および多様性の重視を表現していくスタンスは、今後もさらに推し進められていくことになりそうだ。

Sources: Stephanie Williams, Vita Ayala, Screen RantVariety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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