どうなる？ストライキの今後の展開

前回の脚本家ストライキは2007年～2008年に100日間続き、今回と同様、数多くの作品が撮影を延期するか、続行するかの決断を迫られた。「力の指輪」のように撮影継続を決めた作品には、かつての大ヒットドラマ「HEROES」がある。同作はストライキによってシーズン2のエピソード数を削減し、前回より12話少ない全11話構成で放送。これによって絶賛されたシーズン1と比べて、シーズン2はクオリティと視聴率が急激に低下したといわれている。こうした前例を考えると、「力の指輪」や「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」の新シーズンにも何らかの影響が及ぶかもしれない。

もっとも、今回のストライキは前回ほど大きな影響は出ないと予想されている。米Varietyは、2007年～2008年当時のテレビ業界について「テレビといえば『放送とケーブルテレビ』を意味し、放送局は番組の脚本、制作、配給がきっちりと順序だてて行われる組立ライン（assembly-line）形式で運営されていた。よって脚本家がストライキを起こすと、そのプロセス全体が頓挫してしまった」と説明。対して2023年の「テレビ」は放送とケーブルに加え、ほとんどが「ストリーミング」で構成されている。ストリーミング作品の制作は「より長いタイムラインで進行し、より映画に近く、脚本と制作が分離され、配信のずっと前に制作される」ことを挙げ、ストライキによる「混乱はあっても、2007年～2008年ほどのインパクトないだろう」と述べている。

なお今後の流れとしては、5月10日（現地時間）にAMPTPの交渉担当者と全米監督協会（DGA）が正式な協議を開始するとのこと。これによってWGAは、AMPTPとの再協議まで少なくとも2週間以上待つことになるという。

Source:Variety(1,2,3,4),Deadline,Collider