【ネタバレ】『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』「あの声」の正体が判明 ─ 衝撃キャスティング、今後の展開は

この記事には、映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』のネタバレが含まれています。
ブリクストンを操る「ボス」の声
『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』でドウェイン・ジョンソン演じるルーク・ホブス、ジェイソン・ステイサム演じるデッカード・ショウの前に立ちはだかるのは“シリーズ史上最強の敵”と称されたブリクストン(イドリス・エルバ)である。しかし、ブリクストンは巨大企業エティオンによって肉体を改造され、人間離れした能力を手にしてはいるものの、その代わりに自由を奪われていた。ブリクストンは姿を見せないボスの指令によって動き、ホブス&ショウに敗れた後は、ボスの一声によって機能を終了させられてしまう。生きるも死ぬも主人に握られたブリクストンは、ほとんど悲しき中間管理職といっていい。
ともあれ、ブリクストンを操っていた声の正体は何者なのか。「指導者(The Director)」という役名が与えられている人物は、映画のラストに至って、ホブス&ショウのどちらにも何らかの関係があることが示唆されている。また脚本家のドリュー・ピアースは、米Inverseの取材にて、エティオン社には独自の歴史があり、またショウ個人との間にも浅からぬ因縁があることを明かした。ショウとブリクストンの関係が本編で直接的に描かれていなかったのと同様に、その歴史は『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013)でショウが初登場する以前まで遡るようだ。

米The Hollywood Reporterにて、デヴィッド・リーチ監督は「エティオンの指導者には名前も顔もない、というのが本作の結末にはふさわしいと思いました」と述べている。ホブスやショウ、それぞれのファミリーの物語がひとまず幕を閉じることが大切で、そちらの情報量が多いために、エティオンの正体や今後の展開には触れないという判断だ。逆にいえば、謎のままで終わった出来事の真相はいずれ語られることになりそうである。
ただし、「指導者」の正体に迫るためのヒントは用意されている。最大のポイントは、本作で「指導者」の声を務めた俳優だ。エンドクレジットには「チャンプ・ナイテンゲール(Champ Nightengale)」という謎の名前が掲載されているが、実はこの名前、『デッドプール』シリーズなどの俳優ライアン・レイノルズが、自身の所有するジンのブランド「アビエイション・アメリカン・ジン(Aviation American Gin)」のAmazon商品ページに自らカスタマーレビューを投稿した際に使用した偽名。すなわち、チャンプ・ナイテンゲール=ライアン・レイノルズなのだ。
I loved this review of Aviation Gin someone sent me after I wrote it. pic.twitter.com/YZN4KI0ATD
— Ryan Reynolds (@VancityReynolds) June 22, 2019
そしてライアンとは、本作『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』最大のサプライズとなったカメオ出演者である。ドウェイン演じるホブスを任務へと導くエージェント、ロック役として登場したライアンは、『デッドプール』シリーズを思わせるジョークを飛ばし、とてもカメオとは言えないほどの存在感を発揮していた。そんなライアンが指導者役にクレジットされているということは、すなわちエティオンのボスの正体は……。

しかしリーチ監督は、指導者=ロック説について「最終決定ではありません」と否定している。指導者をライアンが演じたことは、ストーリーの展開を予告するものとは言い切れないのだ。
「オープンな結末にしたかったんです。クリス・モーガン(脚本兼製作)とは、クリエイティブかつ優れたアイデアをたくさん考えましたが、今回は初めての作品だし、自分たちに可能性を与えようと。これがシリーズの5作目で、すでに世界が出来上がっているなら、次回作へのクリフハンガー(※)を入れるのも良いと思います。だけど今回は、登場人物をふたつの世界に置き、さらなる可能性を示し、みなさんの反応を見られるように映画の世界をゆるやかにしておきたかった。その後で“次の映画はこうあるべき”というお話をします。[中略](現時点では)“次の冒険はこれ”と言うには早すぎると思うんです。」(※物語の明確な結末を示さず、その後の展開を期待させる作劇方法)
脚本家のピアースも、エティオン社について「いろんなことを(脚本に)書きましたが、映画には入っていません」と述べているほか、今後の展開についても「僕たちが“次はこうしよう”と考えていたことも変わるかもしれません」「お話ししてもしょうがない」と語っている。ちなみにリーチ監督によると、指導者役としてキアヌ・リーブスに出演オファーが出されていたという噂は事実ではないそうだ。
さて、ホブス&ショウの次なる冒険はどうなることか。リーチ監督の「最終決定ではない」発言は、指導者=ロック説も十分にありえることを意味しているだろう。主人公の仲間だと思っていたコミカルなキャラクターが実は最大の悪役だったという展開は、ある意味どんでん返しの王道ともいえそうだが…?
映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』は2019年8月2日(金)より大ヒット公開中。
『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』公式サイト:https://wildspeed-official.jp/