『X-MEN: ダーク・フェニックス』ジーン・グレイとサイクロップスの恋愛がカギを握る ─ 「愛する人が正気を失う恐ろしさ」描く

映画『X-MEN』シリーズの最終章となる『X-MEN: ダーク・フェニックス』では、ジーン・グレイが自身の能力をコントロールできなくなり、ダーク・フェニックスとして覚醒していく。X-MENのヒーローが、そして観客が直面するのは、そこから生まれる“シリーズ史上もっともエモーショナルな物語”だ。
映画の核のひとつは、ジーン・グレイ/ダーク・フェニックスとスコット・サマーズ/サイクロップスの恋愛である。カップルとなった二人は、それゆえに苦しい道のりをたどることになる。脚本・監督のサイモン・キンバーグは「スコットとジーンのラブストーリーは『ダーク・フェニックス・サーガ』に欠かせないもの。コミックであれ、アニメであれ、それが何でも同じです」と英Empireにて述べている。
スコット役のタイ・シェリダンは、米ComicBook.comの取材で、スコットとジーンの恋愛要素を「この映画のすごく良い部分だと思います」と語っている。
「二人はどんな人間で、どうして彼らは自分なりの選択をしていくのかがわかる。(ジーンの)スコットへの愛情は、彼女が内なる葛藤を抱える大きな理由になっています。なぜならダーク・フェニックスを受け入れれば、彼女はスコットを失ってしまう。ジーンという人間にとって、それは非常に大きなことなんです。」

サイモン監督やジーン役のソフィー・ターナーは、本作のジーン像を構築するにあたって、統合失調症や解離性同一性障害、アルコールやドラッグの依存症を参考にしたという。
「大切なのは、そういったことが、当事者を愛する人々や、彼らに愛されている人々に何をもたらすのかということ。そういう問題に通じる映画だと思います。もっとも、ジーンは自分のパワーに毒されてしまうんですが。そこに恋愛が絡まり、緊張感がどんどん高まっていく。(ジーンとスコットの)主導権争いはさらに複雑になるんです。」
ソフィーは「ジーンの身に起こることには、ありとあらゆるレベルで共感してもらえると思います」と自身をにじませた。一方でサイモン監督は、ジーンが暴走し、自分の力をコントロールできなくなった結果、周囲にどんな変化が起こるのかという点に力を注いだことを強調してもいる。
「ジーンが不安定になるにつれ、X-MENのメンバーには、彼女を助けたり救ったりすることはできないと考える者も出てきます。彼らの多くは、世界や人々を彼女から守らなくてはならないと考える。ただしスコットは、それでもジーンを救うことができるという希望を捨てません。」
ちなみにストーム役のアレクサンドラ・シップは、本作の魅力を、前作『X-MEN: アポカリプス』(2016)以上に「リアルの映画になっている」ことだと述べている。作風の変化は、ジーンとスコットの恋愛にも大きな効果を及ぼしているようだ。
「(本作は)コミック的でないがゆえに、より感情に刺さるものになっていると思います。非常に現実的で、生々しく、時に恐ろしい。それは、自分の愛する人が正気を失ってしまうという恐ろしさです。」
映画『X-MEN: ダーク・フェニックス』は2019年6月21日(金)全国ロードショー。
『X-MEN: ダーク・フェニックス』公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/darkphoenix/
Sources: ComicBook.com(1, 2), Empire