『X-MEN』ディズニーで2021年以降にリブートへ ─ 『デッドプール』のみ存続、米報道

ウォルト・ディズニー・カンパニーと21世紀フォックスの事業統合が完了し、いよいよマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)への「X-MEN」「ファンタスティック・フォー」合流が本格的に始まろうとしている。
米The Hollywood Reporterによると、これまで20世紀フォックスが取り組んできた映画版『X-MEN』シリーズはマーベル・スタジオのもとでリブートされ、R指定作品である『デッドプール』のみが存続する見込みだという。ディズニーCEOのボブ・アイガー氏は、以前から『デッドプール』継続の意向を示していた。
リブート版『X-MEN』2021年以降に登場へ
ディズニーとフォックスの事業統合という業界の歴史的転換のなか、マーベル・スタジオはMCUの流れにひとつの区切りをつけようとしている。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年4月26日公開)をもって『アイアンマン』(2008)以来の物語はひとまず完結し、ユニバースを“卒業”するヒーローも存在するとみられているのだ。
しかし、X-MENやファンタスティック・フォーの合流はもう少し後の話となりそうだ。The Hollywood Reporterによれば、マーベル・スタジオは2019年内にブラック・ウィドウの単独映画や『エターナルズ(邦題未定、原題:Eternals)』、アジア系ヒーロー「シャン・チー」の単独映画を撮影予定。2020年には2本、2021年には3本の新作の公開を予定しているという。
これを受けて、今回の報道では「ケヴィン・ファイギ(マーベル・スタジオ社長)が完成済みの脚本を隠し持っていないかぎり、(フォックスからの)新しいヒーローは少なくとも2021年までは登場しないとみられる」といわれている。これまで緻密に展開されてきたMCUの全体構想を鑑みても、製作される映画そのものの準備期間を鑑みても妥当なスケジュールだろう。
一方、R指定ゆえにディズニー傘下での継続がファンの間で危ぶまれていた『デッドプール』だけが結果的に存続されるのは意外な展開だ。フォックスとの事業統合後、ウォルト・ディズニー・カンパニーのウェブサイトにはデッドプールが堂々と登場。さらに主演・製作のライアン・レイノルズは、統合完了に先がけてミッキーの耳をつけたデッドプールの画像をTwitterに投稿していた。

Feels like the first day of ‘Pool. pic.twitter.com/QVy8fCxgqr
— Ryan Reynolds (@VancityReynolds) 2019年3月19日
今後、ディズニーはフォックスによる映画版『X-MEN』2本を引き継ぐことになる。ひとつはシリーズ最新作『X-MEN: ダーク・フェニックス』(2019年6月21日公開)で、こちらは遠からずプロモーションが本格化する見込みだ。もうひとつは『X-MEN』初のホラー映画とされた『ニュー・ミュータンツ(邦題未定、原題:New Mutants)』だが、製作トラブルも伝えられており、劇場公開ではなくストリーミング配信に落ち着くとの見方も強い。近く、ディズニーによって判断が下されることになりそうだ。
なおフォックスは今後、チャニング・テイタム主演・製作による『ガンビット(邦題未定、原題:Gambit)』や、有名ヴィランっであるドクター・ドゥームの単独映画を予定していた。いずれも事業統合の影響で企画は保留状態だったが、後者の脚本を執筆した「レギオン」(2017-)や「FARGO/ファーゴ」(2014-)のノア・ホーリーは、すでにケヴィン・ファイギ社長と面会したとのこと。これらの作品についても、別途ディズニー/マーベルによって方針が決められるものと思われる。
ディズニーとフォックスが事業統合を完了した翌日に、マーベル・シネマティック・ユニバースと「X-MEN」「ファンタスティック・フォー」には早くも動きがみられはじめた。なお、『アベンジャーズ/エンドゲーム』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』以降のMCU作品ラインナップは2019年夏にも発表されるとのこと。ケヴィン社長は、これまでのMCUについて「まだ始まりにすぎない」とすら述べているが、果たしてこれからどうなる…?
Source: THR